栽培ガイド

マグノリア


お庭のシンボルツリーとして、人気の高いマグノリア。
モクレン科の植物の総称で、モクレン、コブシ、ヒメコブシ、タイサンボク、オオヤマレンゲなどをさします。
このところ欧米から導入された園芸種が増えて、花色や樹形などのバリエーションが広がり、狭い庭や鉢植えにできる花木となってきたため、育てる方が増えてきました。
葉に先立って枝いっぱいに花を咲かせる姿はたいへん印象的。
春の華やぎと明るさを象徴するような存在です。その後展開する明るい緑葉は、夏には心地よい樹陰を作ってくれます。
たまにカミキリムシの幼虫が幹に入りますが、それ以外は病虫害も特になく、ほとんど手がかかりません。今回はそんなマグノリアの魅力をご紹介します。

●モクレン


従来は白花や紫花が主でしたが、交配種はとてもカラフル。
鮮やかな黄色やピンクなど、明るい印象の花が増えました。なかでもジェニー、クレオパトラは珍しい花色で、海外でも受賞実績がある有望品種です。また、樹高がコンパクトで鮮やかな花をたくさん咲かせる「ガールマグノリア」と呼ばれる品種群は鉢植えにもできます。

●コブシ


モクレンよりも花が小型で、花びらも細く可憐な印象のコブシ。今人気が高いのは、やはり樹高が2~3mと小型のヒメコブシやその交配種で、鉢植えでも育てられます。紅花ヒメコブシの花は八重の優しいピンク色で人気です。

●タイサンボク


つやのある大きな葉に白い芳香花を咲かせる常緑のタイサンボク。公園など、広いスペースに向く大型樹木でした。
ところが園芸種の「リトルジェム」というわい性は、最大樹高2m前後と小型です。5号鉢程度でも花が楽しめる画期的な品種として人気。若木のうちから低い位置の枝にも花をつけるので、よい香りも十分楽しめ、しかも四季咲き性です。
庭植えは関東地方以南向きですが、とても魅力的な木です。

●オオヤマレンゲ


タイサンボクに似た大きな白花を咲かせます。開花は春のみですが、花が横から下を向いて咲くので、花もよく鑑賞できます。タイサンボクよりも耐寒性が強いので、北海道南部まで植えられます。鉢植えでも楽しめます。

●カラタネオガタマ


中国原産で「含笑花」と呼ばれます。園芸品種、「ポートワイン」は花弁の外側がワインレッドで、数メートル離れても香るバナナのような芳香がある人気種。花つきがよく、樹高も4mまでなので、庭木やシンボルツリーとしておすすめです。植え付けは関東地方以南むき。

マグノリアの花は香りで有名。品種によりさまざまですが、微香から強い芳香があるものまで楽しめます。春、マグノリアの花が咲いているのを見かけたら、ぜひそのすばらしい香りも体験してみてくださいね。


腐葉土や完熟たい肥をすき込みます。日当たりを好みますので、よく日のあたる場所に深植えしないように支柱でぐらつかないように固定して、植えつけて下さい。
5~6月に伸びる新梢に花芽がつきますので、枝を切り詰めると花が咲かなくなります。
剪定は花後に混み過ぎた枝を間引き、伸びすぎた枝を切る程度にとどめて下さい。
施肥は花後の6月と2月に根元に腐葉土、化成肥料などを施します。肥料が多すぎると花がつきにくくなりますのでご注意ください。