栽培ガイド

6月のハーブのお手入れ

○6月のハーブ

気温も上がりさわやかだった5月にはさかんに生育したハーブですが、6月に入りさらに気温が上がって、入梅すると、この気候を苦手とするものと、ちょうどよいものに分かれるので、それぞれに適した管理が必要になってきます。
多くのハーブは地中海やヨーロッパを原産としますが、これらは、高温多湿を嫌います。鉢植えは置き場所を工夫しましょう。バジル類やナスタチューム、レモングラスなどは、気候が生育に適しているので、ルンルンしていますよ。


○6月の管理のポイント

置き場所:
日当たりのよい戸外がいいのですが、入梅したら鉢植えは高温多湿を嫌うタイプは、雨が当たらない風通しのよいところに移し、台の上に置くなどしてやりましょう。地植えは水はけがよいことが条件です。
     
水やり:
梅雨入りまでは、乾燥が速いので鉢植えは水やりの間隔に注意し、鉢の土が乾いたら十分に水やりをします。バジルやカモミールは適度な湿度が必要で、ミントやレモンバームはむしろ乾燥を嫌います。梅雨だからとうっかりして水きれさせないよう、気をつけて下さい。地植えは植え替え直後以外は極端に乾燥するときだけで十分。

肥料:
2ヶ月に1回を目安に施肥します。セージやローズマリー、ラベンダーなどはチッ素分が少なめ、他はチッソ・リン酸・カリが同量の緩効性化成肥料にします。

病害虫:
アブラムシが発生しやすいのでよく観察し、見つけしだいやっつけましょう。セリ科(パセリやディルなど)にはこの他にもカメムシやアゲハの幼虫、乾燥するとハダニも発生しやすいので注意をしましょう。バジルなどではナメクジの食害にも要注意です。


○地植えにはマルティングを

鉢植えは置き場所を変えて、高温多湿を嫌うハーブを救うことができますが、地植えはそうもいきませんね。梅雨入りする前に、株元にワラやバーク堆肥などをしいてやりましょう。こうすると、雨などによる泥はねを防いで、病気にかかりにくくなります。それだけでなく、雑草が生えにくくなり、地温が上がりすぎたり、乾燥しすぎるのも防止できるので、忘れずマルティングしてあげてください。


○むれの防止の刈りこみ、枝すかし    

5、6月にさかんに生育して枝や葉が密生してしまったものは、梅雨入り後の高温多湿にむれてしまい、下葉が腐ってきたり、伸びすぎて倒れやすくなります。
タイム、ラベンダー、ローズマリー、サントリナなど、切ってもすぐに芽を出す萌芽力の強いものは、思いきって株の半分から3分の1ほどを刈りとってしまいます。ただし、葉やわき芽をすっかり落としてしまわないよう気をつけて。セージなどは枝の数を減らして風通しをよくします。
立ち性のローズマリーの枝をすかす場合は、枝の付け根で切るようにしましょう。途中で切るとそこからたくさんの枝ができて、倒れたり姿が乱れてしまうからです。 


○植えつけ・植え替え、たねまき    

ミント類、レモンバーム、レモングラスなどでは植えつけ・植え替えができますが、できるだけ早めに済ませましょう。
タイム、ラベンダー、ローズマリーなど地中海沿岸を原産とするハーブは気温が25℃をこすと発芽しにくくなります。ディルやミント、レモンバーム、バジルなどではまだOKです。


○挿し木

刈り込んだり、枝をすかしたものを挿し木しましょう。ラベンダーやローズマリーなど高温多湿を嫌うものは、梅雨に入る前に挿し木をして明るくて涼しい日陰で管理します。ゲッケイジュやレモンバーム、ミントなどは、梅雨に入ってからでも だいじょうぶです。


○ハーブティ、ハーブバスを生葉で楽しもう!

6月にはレモンバームやミント類は大きくしげるようになリます。いまの季節は生葉でハーブ類を楽しむ絶好の季節です。これらはたくさん収獲しても、すぐにまた伸び始めるほど繁殖力おうせい。思い切りよく切り取ってしまうほうが、夏を乗り切るのにもいいのです。それでも余るなら乾燥させて密封保存しておきましょう。