栽培ガイド

5月のハーブのお手入れ

○5月のハーブ

気温も上がり日差しも強くなってハーブの生育にも勢いがついてきます。花が咲き、いろどりも豊かになって楽しみがいっぱい。どんどん伸び出す前に、4月にし残した植え替え、株分け、挿し木をし終えましょう。
寒さに弱いものも、気温が20℃を超えるようになるので、タネまきができます。早めにまいて暑さが来る前に大きくしておきましょう。庭のない家庭でもコンテナでハーブをまとめて作っておくと重宝ですよ。


○夏に向かっての植えつけ、植え替え    

4月に引き続き、植え付けや植え替えができます。が、できるだけ早めに済ませましょう。なにしろ、ハーブは暑さが苦手。生育にぴったりのこの5月のうちに、夏を越せる体力を作っておかなく
てはいけませんからね。


○ハーブのコンテナを作ってみましょう

ハーブを楽しみたいけどお庭がないから、って尻ごみしていませんか。そんな方にはハーブのコンテナがおすすめ。寄せ植え感覚で楽しめます。ぜひ一度チャレンジしましょう。

庭植えと違って同じコンテナでいくつかの種類を育てるのですから、水分を必要とする程度や好みの用土などがよく似た性質のハーブを組み合わせるのがコツです。たとえば、適度な湿り気があるのが好きなナスタチウム、フェンネルバジル、チャービルなど、夏は多湿が苦手のオレガノ、セージ、タイム、ローズマリー、ラベンダーなど、というふうに。

径36cmのコンテナで3~5株程度が適当です。背丈の大きくなる(あまり大きくなるのはコンテナ向きではありません)ものを中心に置き、背丈が低いものや垂れ下がるものを周囲に植え、全体のバランスをとります。

コンテナでの寄せ植えは乾燥しやすいので、水やりに注意してください。


○タネまき    

発芽に20度以上の温度が必要なセージなどもタネまきができます。高温では芽が出にくいパセリは早めに。
ハーブの種のまき方は、種の大きさでかなり違います。くわしくは4月のハーブのお手入れをご覧ください。ざっと復習しますと、

・大きめの種(バジルやボリジなど)
点まき

・小さめの種(オレガノ、マジョラムなど)
ばらまき

・ごく小さな種(ミントなど)
ばらまき、または、すじまき
まき床は前もって水をしみ込ませておきます。


○ローズマリーなどの挿し木

ローズマリーは花が終わったら、梅雨以降の高温多湿期に備えて、刈り込んだり、一部の枝を切ったりして風通しをよくしてあげましょう。切り取った枝のうち、前の年に伸びた枝でさし木ができます。10cmほどの長さに切り分け、下半分の葉を取り除き、1時間ほど水あげをしておきます。清潔な赤玉土などに斜めにさします。

タイム、セージ、ラベンダーなども高温多湿が嫌いです。同様に刈り込んで、挿し木にするとよいでしょう。いずれも高温になると腐りやすくなるので、早めにし終えましょう。


○収獲、ハーブの後片付け

この時期、多くのハーブが葉や花を取ってそのままお料理や付け合せにできます。ジャーマンカモミールの花やレモンバームの葉にお湯を注いでハーブティーにするのもいいですね。たくさんあるなら乾燥させて密封保存しておけばいつでも使えます。

花が終わったジャーマンカモミール、とうのたったパセリ、老化したロケットは抜き取ります。
ジャーマンカモミールはこぼれダネが秋までに芽を出すでしょう。


○5月の管理のポイント

置き場所:
日当たりのよい戸外。地植えは水はけがよいことが条件です。
     
水やり:
鉢植えでは鉢の土が乾いたら水やりをします。乾燥が速くなるので水やりの間隔に注意しましょう。地植えは植え替え直後以外は極端に乾燥するときだけで十分。

肥 料:
2ヶ月に一回を目安に施肥します。セージやローズマリー、ラベンダーなどはチッ素分が少なめ、他はチッソ・リン酸・カリが同量の緩効性化成肥料にします。

病害虫:
アブラムシが発生しやすいのでよく観察し、見つけしだいやっつけましょう。パセリは乾燥するとハダニも発生しやすいので要注意です。