栽培ガイド

7月のハーブのお手入れ

○7月のハーブ

梅雨が終わりに近づくと、湿度も温度も高くなり、地中には過剰 なほど水分がたまることになって、乾燥した地中海沿岸を自生地とする多くのハーブたちは気息えんえん。根ぐされで突然枯れることもあります。
梅雨があければあけたで、こんどはきつい日差しがこたえます。
よく注意して、ケアをしてあげましょう。 
一方、熱帯原産のバジル類やレモングラスなどは、よく生育します。

そのほか、この時期特有の害虫の発生に注意しましょう。


○7月の管理のポイント

置き場:
梅雨の間、地中海沿岸原産のラベンダーやセージ、タイム、ローズマリーなどは雨が当たらない風通しのよい台の上に。
梅雨明け後は、西日を避けられる、日当たりのよい戸外に。
地植えは水はけがよい場所が条件です。
     
水やり:
梅雨の間は、地中海原産のものはくれぐれも水のやりすぎ、過湿に注意しましょう。
梅雨があければ、乾きやすくなりますから、鉢植えは1日1回、地植えはしおれない程度の間隔で、早朝にたっぷりの水やりをします。
    
肥料:
暑さで弱る地中海原産のハーブたちには、施肥はしません。
そのほかは2ヶ月に一回を目安に、チッソ・リン酸・カリが同量の緩効性化成肥料を施します。

病害虫:別項をごらんください。


○植えつけ・植え替え、タネまき・さし木
    
この時期、さし木ができるのはミント類やレモンバームくらいです。
植え付けや植え替えは、これらのほかに熱帯原産のバジル、レモ ングラスなどでできます。
タネまきは25℃を超えると発芽しにくく、行いませんが、バジルなどは可能です。


○夏の害虫    

特有の香りなどで、比較的害虫がつきにくいのがハーブの特徴ですが、それでも、7、8月を中心とした季節はそれぞれに特有の害虫が現れます。

ナメクジ:
バジル、フェンネル、ナスタチュームなどの新芽を食害します。
苗の小さいうちや新芽をやられます。
鉢底や葉や茎のこみあった株元、周辺の石の下など、陰の湿ったところに潜んでいて、夜に出てきて活動しますから、そのあたりをチェックしたり、夜に出てきたところを捕殺しましょう。誘引殺虫剤も有効です。

カメムシ:
触ると独特の臭気のするカメムシは、セリの仲間の花に集まり、汁を吸うので実が結ばなくなります。
これも捕殺しますが、直接手では触らないようにしましょう。

キアゲハ:
はでな縞模様のアオムシですからすぐに分かりますが、葉をモリモリと食害します。
動きが鈍いので捕まえるのはかんたんです。


○イングリッシュラベンダーの収獲と利用

収獲は晴れた日の午前中、涼しいうちにしましょう。
ポプリやドライフラワーとして楽しむ場合は、花が開く前に刈りとって、茎のついたまま、花を下に向けて風通しのよいところで日陰干しします。
花の材料として利用するときは、7、8分咲きが適します。

生花をジャムやビネガー、葉は料理の風味付けにごく少量加えてみましょう。
花や茎のドライティーは美味しくて、たいへん優れた美容効果と薬効があります。ドライの花を生地に加えたカステラも素敵です。

もちろん、部屋の中においておくだけで芳香剤となるくらい。
ラベンダーの利用範囲は広いのです。


○バジルを長持ちさせて、夏中、楽しみましょう

トマトとの相性がよく、パスタにオリーブ油とからめて食べると最高!
バジルは夏でも食欲を出させてくれます。
このバジルの葉を、夏中柔らかくて香りのよい状態で収獲するに は、水を切らさないようにし、花を咲かせないことが大事なのです。
葉の裏側にも散水して、保湿するだけでなくハダニも防ぎましょう。
7月になると、花穂が次々と出てきますから、よく注意してかわいそうでも花穂はみんなつみとってしまいます。

1度にたくさん葉を収獲できたときは、オリーブ油や塩、ニンニクと一緒にミキサーでペースト状にして、冷凍保存をしておくと重宝です。