栽培ガイド

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7月の果樹のお手入れ

○7月の果樹とその管理

梅雨の末期は雨が多く降りますから、熟してきた果実や、成熟途中でも雨に弱いものは雨よけをしたり、収獲を早めるようにしましょう。
枝葉がしげってきて日当たりが悪くなってしまいがちなので、枝をすかします。
また、7~8月は多くの落葉果樹では、充実した新梢に来年の花芽ができる時期ですから、花芽のできる枝に十分な栄養が行くように、上を向いてさかんに伸びる新梢は成長を押さえるように管理します。
すでに何度か摘果したカキやミカンですが、最終的な摘果をする季節です。アンズやスモモ、イチジク(夏果)は収獲樹です。

鉢植えの水やりは、1日1回、基本的には表土が乾いたら。
スモモやプルーンは少し多めに、1日に1~2回やるようにしましょう。地植えはとくに必要ありません。

肥料も特に必要ありません。
 

○落葉果樹の剪定、新梢管理     

夏の間に十分な光合成ができることは、今果実が大きくなっている途中のブドウなどにも、来年の花芽をつけつつあるウメなどにとっても、とても 大切です。
このために、どの枝や葉にもよく日が当たるように、余分な芽をかきとり、上に伸びた新梢を適当な方向に誘引しするなどして、
日陰を作らないようにします。それでも十分でなければ、込んだところの枝葉を切り取り
ます。これが夏の剪定ですが、切り取るのは最低限に止めるようにします。

また、勢いよく伸びている新梢を伸びている向きと違う方向に誘引したり、枝をねじって(稔枝)成長の勢いをおさえるように、新梢を管理すると、結実や来年の花つきをよくするのに効果があります。


○カキ、キウイフルーツ、ミカン類の本摘果

カキ、キウイは7月上旬のうちに、ミカンなどカンキツ類は7月下旬から8月の始めにかけてが、本摘果の時期です。
果樹の多くは花はたくさん咲いても、その8,9割がたは自然と落ちて、実になりません。それでも、そのまま熟させると実が小さかったり、来年なる実がわずかになってしまったりします。

毎年、コンスタントによい実がなるよう、実の数を調整するのが摘果です。
種類や品種、樹齢などで、果実1コあたりに必要な葉の枚数は異なります。たとえば、ウンシュウミカンは葉25~30枚に1コです。
それぞれに適した葉の数を参考にして、日のよく当たるところを中心に必要なだけ実を残し摘果します。
カンキツ類の摘果果実は食酢や薬味として、お料理に使いましょう。


○レモンやライムの雨よけ、風よけ     

雨が続いたり、強い風を受けると、カンキツ類、とくにレモンなどではカビが原因のかいよう病になりやすいので、雨や風をよける工夫が必要です。
かいよう病は、実などに丸い病変が出て、中がコルクのようになります。万一病変が見つかったら、もったいなくても摘みとって焼却処分にします。


○スモモ、アンズ、イチジク(夏果)の収獲 

アンズ、スモモ、モモ、イチジク(夏果)の収獲時期です。
いずれも熟すと傷みやすいので、店頭に並べられるのは多くの場合熟す前に収獲されたものです。せめて家庭で栽培したものは十分に熟した、果汁たっぷりのを味わいたいもの。かといって傷みやすいものですから、完熟のころあいをよく見計らって収獲しましょう。
雨に当たると味が薄くなりますので、鉢植えならば軒下などに移し、雨よけをします。 


○梅雨明け後の乾燥防止

梅雨の終わりは激しい雨がふり、どうしても過湿ぎみになるのに、明ければかんかん照りの高温にさらされて、根の働きが弱くなります。とくに株の小さい果樹はこの時期の乾燥でダメージを受けやすいので、株もとにマルティングしたり、たっぷり水をやるなど、乾燥には十分、注意してあげましょう。