栽培ガイド

8月のハーブのお手入れ

8月のハーブ


ハーブの仲間は、バジルやレモングラスなどを除くと、多くが夏は比較的涼しい地中海沿岸などが原産。日本の夏を苦手とするものが多いので、少しでも涼しく過ごせる工夫をしてやりしょう。
特に鉢植えは鉢の温度が高くなったり、からからに乾いてしまいがちですから、次の夏越しの基本を守ってください。
日中もですが、夜間の温度が高くならないような対策が必要です。

○8月の管理のポイント:夏越しの基本

置き場:
鉢に直射日光が当たらないように何かで遮光します。
ただし、茎や葉にはよく太陽が当たるように。
地面やコンクリート面からの照り返しをなくすため、すのこや棚の上に置きましょう。
西日が当たる場所では、地植えでも遮光ネットなどでさえぎりましょう。ネットを張る場合は風通しが悪くならないよう、注意してください。   
     
水やり:
水をやるのは早朝、涼しい間です。
地植えは、しおれない程度の間隔を見計らって水やりすれば大丈夫ですが、鉢植えの場合は注意が必要です。

夏の乾燥を嫌うのがミント類、チャイブ、ルッコラ、レモンバーム、パセリなどです。また、ナスタチウム、ディル、バジル、フェンネル、レモングラスなどはつねに適度な湿度を必要とします。
したがって、これらの水やりはたっぷりを心がけます。
夏の乾燥を嫌うものには、朝だけで足りなさそうなら夕方にもう一度。湿度を必要とするものには株全体に水をかけてやるのもよいでしょう。
ただし、多湿を嫌うセージやローズマリーなどは、「株元だけ」を守りましょう。  
    
肥 料:
夏の乾燥を嫌うものは暑さで弱っていますから、施肥してはいけません。
そのほかも、7月に施肥したのならいりません。
7月に施肥しなかったものにだけ、チッソ・リン酸・カリが同量の緩効性化成肥料を施しますが、薄め、薄めを心がけましょう。

病害虫:
ハダニに要注意です。
ハダニが発生しやすいのはナスタチウムやバジル、パセリなどです。これらは葉に水をかけても大丈夫ですから、水やりのときに葉にも水をかけてやるとある程度予防できます。


○植えつけ・植え替え、タネまき・さし木    

どれも避けたほうが無難です。
わずかに、ミント類やレモンバームはさし木できます。
レモングラスも植え替えて大丈夫です。
8月はおとなしく、暑さが一段落するのを待ちましょう。


○真夏に美しいハーブの花たち

暑い夏の間、美しい花を見るだけでなく食用やポプリににも楽しめるハーブをご紹介しましょう。

マロウ:
アオイの仲間で、花もそっくりです。
この花びらをドライにしてティーにすると色がとてもきれいで、時間とともに変化していくのが面白いです。
開花したばかりの花をつんでドライにしましょう。
もちろん、フレッシュ花もエディブルフラワーとしてサラダのいろどりにステキ。美容と健康にグーです。

ベルガモット:
シソの仲間です。炎が燃えているような華やかな花でタイマツバナというのが和名。
利用するのはおもに若葉ですが、このハーブティーはインディアンが好んで飲んだそうです。

アニスヒソップ:
シソの仲間です。赤紫の鮮やかで大ぶりの花穂が可憐。
葉と同様、ミントのようなさわやかな香りがします。
切り花にもドライフラワーにもいいですが、サラダやいろどりにも使える食用花です。
リーフティーは疲労回復や美容に効果がありますが、妊産婦さんはお飲みにならないように。

デイリリー:
名の通り、ユリの仲間。日本に自生のカンゾウの類をアメリカで園芸種に改良してできたニューフェイス。
赤、黄色と色の美しさと甘い香り、すっきりした風味。
1日花ですが花期が長く次々と咲きます。
朝のうちにつみとり、お酒に仕立ててみましょう。

タンジー:
キクの仲間です。黄色いボタンのような花が咲きます。
食用ではありませんが、ショウノウのような香りがあり、虫除けや防腐剤に使います。

ソープワート:
ナデシコの仲間です。葉をもむとヌルヌルした液が出ますが、これにはサポニンというあわ立ち成分が含まれていて、ヨーロッパでは洗濯に使うとか。
葉や根を乾燥させ、煎じて湿疹を洗うのや入浴剤にも。
一番花が咲いたら刈りとってポプリにしておきましょう。秋にもう一度花が咲いてくれます。