栽培ガイド

8月のクレマチスのお手入れ

8月のクレマチス

美しい花はなぜか冷涼な気候がお好き。クレマチスもそう…。
日本の8月は熱帯並みの暑さですから、クレマチスは息もたえだえ、と言ったところです。
カリシナなどは葉を落としてしまいますし、モンタナなどは水切れすると枯れてしまいます。水やりが大事です。
弱っているときには病気にかかったり、害虫にやられたりしやすいので、防除につとめましょう。

とにかく、そっとしてできるだけ涼しくして蒸れず、乾かないよう、できるだけよい環境に保つようにします。
それでも、お盆が過ぎてくさむらに虫がすだくころには、人間同様、ホッと一息、少し元気が出てきます。
秋の花を楽しみに、いたわってあげましょう。あと少しです。

5月か6月にさし木したものはポットに鉢あげしましょう。


○8月の管理のポイント

水やり:
鉢植えも庭植えも、朝か夕方の涼しい間にたっぷりと。
鉢植えは1日1回では乾きすぎるようなら、夕方にもう1度。
根が細いモンタナ系は、1日でも水やりを忘れると枯れてしまいます。
高温時に乾燥させると、下葉が黄変したり枯れあがる原因になりますので、水切れは禁物です。 

肥 料:
ふつう、株の弱っている、いわば夏ばて状態で施肥はしないのが原則ですが、クレマチスは肥料切れもだめ。
薄めの液肥(800~1、000倍)を水代わりに2週間に1度。普段より薄めを回数減らしてやるのがポイント。


○剪定は下旬までにして、秋にも花を

剪定は花のあと、ということになりますが、秋にも花を楽しむには、少なくとも下旬までに剪定をしておきましょう。
剪定後、乱れた枝や支柱から離れている枝は支柱に適宜、留めておきましょう。


○害虫の防除に努めましょう

高温で乾燥した天気が続くと、葉の裏に赤ダニが発生しやすくなります。ダニは汁を吸いますから栄養を取られて葉が黄色くなったり、株全体が衰弱します。
ケルセン乳剤、オサダン水和剤などを散布します。
ただ、ハダニ類は薬剤耐性がつきやすいので、薬剤を何種類か用意して、1週間交代に使うなどしないと効きめが出ません。

オンシツコナジラミも葉の裏につきます。ハダニと違うのは葉に触ると成虫が白い粉のようにパーととびちることです。
葉の裏には卵や幼虫もいて、葉がすすのようになります。
これもなかなか退治できない害虫です。
オルトラン粒剤を根元にまいておいて予防するか、黄色を好むので、黄色い粘着トラップを置いておいて捕まえるかです。

ネコブセンチュウも大敵です。
ハダニなどがついていないのに下葉が枯れあがって、株が弱ってどうも生育が遅い、というときには根を調べてみてください。根にコブが見つかったらネコブセンチュウです。
あきらめて、株を抜き処分しましょう。


○クレマチスの仕立て方     

じっとがまんで水やり以外はあまり作業のない8月。
このあたりで仕立て方、楽しみ方を2、3見てみましょう。

クレマチスはつる性ですから、支柱の立て方で色々の形を楽しめます。今月は一般的なフェンス仕立てと、玄関先など狭い場所にぴったりのコンテナガーデンです。

フェンス仕立て
移植を嫌うクレマチスですから、植えるときは3、4年先の状態を想定して、十分な間隔を取っておくのがコツです。
込んだ状態だと風通しが悪くなって病気にかかりやすくなるからです。
枝は斜めに誘引して、目の高さに花が咲くようにします。
この仕立てに向く種類は、パテンス、ジャックマニー、テキセンシス、ビチセラ、オリエンタリスなどです。

コンテナガーデン
寄せ植えする植物はクレマチスと同じく、水と日当たりが好きなタイプにしましょう。
クレマチスが背丈の高い植物ですから、足元を上手くカバーしたり垂れ下がるタイプと相性がよいものです。
たとえば、シクラメン、ヘデラ、バコパ、ツルニチニチソウ。 
色のとり合わせや花の時期が合うものにするといいですね。
鉢は腰高の大きいのが豪華になります。
支柱は円錐形で2m程度の高さがあれば見事です。
モンタナやジャックマニー、ビチセラ系が合います。