栽培ガイド

9月のクレマチスのお手入れ

1. 9月のクレマチス

クレマチスも冷涼な気候を好みます。残暑が続いているとはいえ、9月にはいって中旬ともなれば、朝夕の涼しさを急に感じるようになりますが、こうなると、クレマチスはがぜん元気を取り戻して、秋の花を咲かそうと、枝を伸ばし始めます。
これから霜が降りるころまでは、来年の春の花の準備期間にあたりますので、株を充実させ養分を貯めさせるように管理しましょう。
台風のシーズンですから、つる性のクレマチスは風害を受けやすいので、十分な対策が必要です。 

2. 管理のポイント

置場所:
鉢植えの場合、残暑の厳しい上旬、中旬までは西日をさけ半日くらい日の当たる場所におきますが、その後は風通しよい、よく日の当たる場所に移動します。 台風の時は室内に取り込んでやりましょう。
水やり:
鉢植えは上、中旬は1日1回午前中にたっぷり与えます。 庭植えは雨が少なければ4~5日に1回午前中にたっぷり。 長雨の時は溝を掘るなどして、排水に注意してください。 9~10月の間に来春の花芽ができます。夏の盛りが過ぎたからといって、あまり水を控えてしまわず、むしろ水切れしないよう注意してください。
施肥:
9月上中旬は盛夏に準じ、2週間に1度の目安で800~1000倍の液肥を施します。涼しくなったら週1回500倍の液肥を与えます。 下旬になったら、追肥として骨紛やリン酸、カリ分の多い発酵有機質肥料、草木灰を与えましょう。 分量は庭植えなら一握り、鉢植えなら5号鉢で15g、6号鉢で25gです。骨紛を与えると枝が充実しよい花を咲かせます。緩効性化成肥料(5号鉢2、3錠)でも構いません。

 

3. 整枝、剪定、誘引

8月の下旬までに剪定していない場合、花がらを取って、新梢の先端を少し切る程度に止めます。この時期から来春の花芽ができますから、強く剪定すると来年の花に影響が出るからです。この点、くれぐれも注意してください。
8月の剪定の後伸びた枝葉誘引しておきましょう。


4. 植えつけの適期

涼しくなった9月下旬から10月中旬は、植え付けにぴったりの季節です。また、根詰まりしているような株は植え替えし、追肥をしておくことが、来春立派な花をたくさん咲かせるのに不可欠です。
植え替えの時は、根鉢を崩さないようにしましょう。

<庭植えの場合、植えつけ場所の選定が一つのポイント>
クレマチスは日当たりと多肥、水分を好みます。また、弱酸性から中性のやわらかで保水性のある土壌を好み、直根性で移植を嫌います。そのため、庭植では予め植えるのにふさわしい場所を探し、苦土石灰をまいてよく耕し土壌改良をしておくことが大切です。
<庭植えの方法>
植えつけ場所に径、深さ40~50cmの穴を掘り、掘りあげた土にパーライトやくん炭を混ぜます。植え穴に完熟牛ふんをショベル2杯分入れて、底の土とよく混ぜます。その上に掘り上げた土を穴の深さの半分ほど戻します。 植えつける株は5号鉢以上に植えられるような大きな株。根鉢は崩さないで、1、2節は埋まる程度に深植えにします。 植えつけ後はたっぷりの水をやり、枝を剪定しておきます。
  
<鉢植えの方法>
直根性で根がまっすぐ下に伸びますので、深鉢にします。 鉢植えの場合は用土が大切です。よく肥えてふかふかした通気性のよい土にしましょう。例えば、調整ピートモス(ピートモス6、パーライト2、パーミキュライト2の割で配合した土に化成肥料を混ぜたもの)6、くん炭2、完熟した牛ふん0.5、パーライト1などの割合で混ぜたものを使います。 苦土石灰も少々入れて酸度調整をしておきましょう。 鉢植えの場合も1、2節は埋まるほどの深植えにするのがポイントです。ツルをからませるあんどん型支柱やトレリスを立て、枝先3分の1を切り詰めておきます。 大粒の緩効性化成肥料を5号鉢で5つ、鉢の縁に埋め込み、水をたっぷりと与えます。



5. 台風対策

庭植えの場合、葉がたくさん付いているとあおられて風害を受けやすくなります。
支柱が腐っていないか、結び目はしっかりしているかなど、よく確認しておきましょう。万一、不具合があったならしっかり固定しましょう。天気予報には常に注意をしていましょう。