栽培ガイド

冬の消毒

冬もとなる1月、2月は外での作業は、さすがに少なくなります。
冬の間の大切な作業に消毒があります。

環境を考えると薬品を使わないほうが良いのですが、忙しい方は、どうしても薬剤を散布することになります。
なぜ消毒が必要かを理解して、自分なりの方法を見つけていただければと思います。
 
毛虫に少々葉をかじられても樹木が枯れることはめったにありませんが、カイガラ虫類の寄生が激しいと、少しずつ弱って枯死することがあります。
カイガラ虫類は日本に生息するものだけでも、400種はあるそうです。
私たちの目にとまるのは成虫の雌ですが、体表にロウ質物を分泌して装備しているため、殺虫剤をかけても効果がありません。
カイガラ虫を駆除できる時期は、年に2回くらいしかないのです。

1回目はカイガラ虫の世代交代の時、孵化した幼虫が移動分散する数日間ですが(5月中旬~7月)、肉眼では見つけにくいのです。
2回目は、樹木が休眠に入り新陳代謝が鈍るために薬剤を散布できる寒い時期です(1月~2月)。
薬はマシン油乳剤と石灰硫黄合剤です。
マシン油は、油がカイガラ虫を覆って窒息死させます。
石灰硫黄合剤は、強いアルカリ性によってロウ質物を腐蝕して殺します。

これらの薬剤の散布により、枝や冬芽などについているハダニ等の害虫やウドンコ病等の菌糸も殺されるので、翌シーズンの病虫害も少なくなります。

この2種を一度に使うことはできませんので、日にちを開けて使いましょう。
マシン油散布のあとは薬液が付着しにくいので、石灰硫黄合剤の散布後にマシン油を散布するのが効果的です。
地域によって気候が違うので時期は適宜調整してください。
また、石灰硫黄合剤は車等に白くはん点状につくと落ちにくいのでご注意を。

散布器具は、自動噴霧器3リットルくらいの容量のものが便利です。
消毒剤の濃度は、カイガラ虫の種類によっても違うので、各々の薬剤の指示に従って下さい。また、使った容器は充分に洗って、次に使う薬剤と混ざらないようにして下さい。

以上ですが、人間に害になる虫はそんなに多くはありません。
よほどひどい場合以外はあまり過敏にならず、虫とも仲良くつき合っていってくださいね。