栽培ガイド

タイム


タイムには数百もの種類があり、立性とほふく性(這うように伸びるタイプ)の大きく2つに分類できます。細かく小さな葉は、濃いグリーン、ライムグリーン、黄色の斑入り、白の斑入りなど、色の種類も多いので、組み合わせ次第でタイムだけの寄せ植えを楽しめるほどです。

最も一般的なコモンタイムは立性で、生長につれ茎が木質化し、草丈は30~40センチほどになります。煮込み料理に欠かせないハーブとして常備されている方も多いですね。
ほふく性のものは横に這うように伸びて広がり、お庭のグランドカバーとして大切な存在。花と葉の色の異なるものを交互に植えて、パッチワークのような庭をつくることもできます。



タイムはシソ科の植物で、和名は『ジャコウソウ』といいます。
学名のThymusは、ギリシャ語で『勇気』の意味をもつthymonから来ています。花言葉は『勇気』。古代ギリシャ時代には、兵士たちが勇気を出すためにタイムのハーブバスに入ったり、いけにえを捧げる際に祭壇でタイムを焚いて使ったといわれます。中世ヨーロッパでも、『勇気』『活動』の象徴として、刺繍などのモチーフになりました。

ときには鋭さを感じるほど強く香るタイムには、ティモールその他のエッセンシャルオイルが含まれています。このオイルには強い殺菌力と免疫性を強化する作用があり、興奮作用効果もあります。古代ギリシャから『勇気』の象徴とされていたのはこの効果によるものでしょう。

ハーブを使ってご自身でクリームやローションを作られる方は、にきび対策にタイムを利用されているのではないでしょうか。マイルドな消炎効果があります。また、お風呂に入れると筋肉痛に刺激効果があるので、たくさん走った後や、ひさしぶりにからだを動かした日、スポーツジムでがんばった夜には、タイムのお風呂で一日の疲れをとります。

ただし、妊娠中の方、とくに初期の方はタイムは摂取しないようご注意ください。子宮に刺激を与えてしまいます。

では育て方を。
タイムは温度さえ適温(15~20度)に保てば、いつでも発芽します。一般的には春(3月中旬~6月)と秋(9~10月)に種まきしますが、秋まきは苗が小さいうちに冬の寒さにあたるので、春まきがおすすめです。早めの春にまいておけば、梅雨ごろには大きく生長して利用できます。株分け、挿し木で増やすことも簡単です。

タイムはじめじめとした湿気が苦手で、どちらかというと乾燥気味が好きです。日当たりのよい場所を選んで、水はけのよい軽い土に植えます。暑さには比較的強いのですが、真夏には木陰になるような場所で直射日光はさえぎるようにして休ませるほうが安心です。特に日本の夏は湿度が高いので、高温と湿度で株が弱りがち。繁り過ぎたところを切って風通しよくしてあげます。梅雨前にも思い切って刈り取ります。気温の上昇とともにどんどん生長するので、窒素を控えたリンとカリの多い肥料を追肥します。

香りよいタイムを保存したい方は、開花すると葉がいたむので、開花直前に刈り込んで乾燥させます。
タイムは蒸れ、高温多湿に弱いハーブです。梅雨どきからの多湿状態から一気に気温が上昇すると、蒸れて枯れかかって茶色くなることがあります。
こうなったら、思い切って刈り込んでしまいます。すると少しして新しい芽や葉が出てきて元気な今までどおりの株に戻ります。
虫はつきにくいので、多湿による蒸れさえ気をつければ、育てやすいハーブです。秋に紅葉する種類もあります。

冬の間は戸外の日だまりに置いて越冬できます。生育はとまりますが、極端に乾燥させて枯らしてしまわないよう水やりを忘れずに。
逆に水のあげすぎは根を腐らせてしまうので、晴れの日が続いたら注意して様子を観察してから水をあげましょう。