栽培ガイド

球根の植付け

球根には春・夏・秋植え球根があり、冬の寒さに当たって発芽する秋植え球根と、耐寒性の劣るものが多い春植え球根、夏~秋の短期間で開花する夏植え球根にわかれています。

春・秋植え球根で花壇植えの場合、球根の高さ3倍が植え付け深さの基本目安となり、寒地や乾燥しやすい場所はやや深めに植えます。ユリ科の球根は上に根が出るので、4-5倍の深さに植えましょう。植える間隔は球根の直径の2-3倍が目安です。
鉢植えの場合には、球根の大きさで鉢の大きさや植えつける数を決めますが、地植えよりやや密に植えると効果的です。

参考:5号鉢(直径15cm)に植えられる球根の数
1球:コルチカム、ユリ、ラッパズイセン
3球:チューリップ、ラナンキュラス、スイセン、ヒアシンス、リコリス
5球:アネモネ、バビアナ、オキザリス
10球:フリージア、クロッカス

球根は養分を蓄えているので肥料はさほど必要としません。土に腐葉土や堆肥を混ぜ、水はけをよくしておきましょう。

植え付けは日当たりと水はけの良い場所で、肥沃な土壌を選びます。乾燥保存してあった球根は、植え付け後、数日経ってからの水やりをオススメします。地植えの場合には、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与え、過湿で球根が腐らないように気をつけます。鉢植えの場合には、隅に植えた球根にもよく水がつたわるように、まんべんなく与え、受け皿には水がたまらないよう注意します。

代表的な春植え球根として、ダリア、球根ベゴニア、グラジオラス、サンダーソニアなどがあり、多くは熱帯地方の原産が多く寒さに弱いので、地植えの場合は特に霜が降りない気候になってから植え付けましょう。また、つるになるグロリオーサなど、背の高くなるものやつる性には成長と共に支柱で支えてあげます。

ダリア、カンナ、グラジオラスは冬の寒さに弱いので、寒冷地では10~11月に堀上げ、凍らない所で保存して下さい。暖地は盛土で越冬します。

夏植え球根は、植え付けの年の秋に花が咲き、数年は堀上げの必要がないものが殆どです。また、先に花が咲き、花後に葉がつくという珍しいサイクルのコルチカムやリコリスがあります。夏植え球根の植え付けは比較的浅植えを好み、コルチカムやサフランは、土や水を与えず机の上でも大輪の花を咲かせることができます。

秋植え球根の多くは地中海沿岸が原産です。冬の寒さに当たると発根し、春になると発芽し開花します。開花は暖かい地域ほど早くなります。生育には5度以下の期間が3週間以上必要で、低温に当たらないと花が咲きません。また、根が生育するため、冬の間の乾燥は禁物です。フリージア、バビアナなど南アフリカ原産のものはやや耐寒性に劣り防寒が必要です。

チューリップや水仙を鉢植えにする場合、5号鉢に3球が目安となりますが、1年限りの球根とする場合には、密に植えると豪華です。深さは球根の先が少し出るくらいの浅植えにします。ユリやフリチラリアは深めの鉢に植え、芽が出てから徐々に増し土します。

植えつけ後はたっぷり水を与え、その後は土の表面が乾いたら与えます。冬季水切れしないように注意し、鉢植えは受け皿に水をためないようにします。霜害や乾燥防止のため、根元は腐葉土などでマルチングします。秋に葉を出すことが多いフリージアなどは、風を避け南側の日当たりか室内で管理しましょう。

開花後は花柄を切りとり、葉が黄変して枯れるまで日当たりのよい場所で管理します。地上部が枯れたら球根を掘り上げネットなどに入れて涼しい場所で管理し、また秋に植えつけます。

球根の種類別に、植え付け時期と植える深さ、草丈の目安をイラストでご紹介します。ただし、同じ仲間のものでも品種により草丈はさまざまですので、目安としてください。

春植え球根







夏植え球根







秋植え球根








冬植え球根