『金森朝子の庭物語』 金森朝子プロフィールへ
ガーデナー、冬を愉しむ
ガーデナーの冬仕事といえば、落葉果樹やバラの植えつけ、常緑広葉樹と落葉樹の剪定、培養土作り、施肥など決してなまけてはいられませんが、それでも他の季節に比べれば、時間にゆとりがあります。
そこで今回は、冬ならではの活動をご紹介しましょう。

T.日本庭園に足を運ぶ
日本庭園は、四季折々の風情があります。しかし、わたしが冬を選んで日本庭園散策をお奨めするのは、これが理由ではありません。冬になると、花は咲いていませんし、落葉樹は幹と枝だけになります。したがって、植栽の輪郭を観察するには、絶好の時期なのです。
ところで日本庭園には、緻密に計算して配植した結果がナチュラルに見えるという、極めて完成度の高い配植デザイン理論があります。イギリス人の現代イングリッシュガーデンの制作者が、日本庭園の美的構成理論を学ぶことは、珍しいことではありません。
さて日本庭園を訪れた際、わたしたちの参考になるのは、全景ではなく、寄せ植えやコーナーです。
なんとなく心惹かれるあの寄せ植えは、植物の1本1本がどのように配置されているのか。高い木の下には、低い灌木が何本ずつ植えられているのか。植物と植物の間隔の比率はどのくらいか。植物や石など「モノ」のある空間に対して、何も無い空間は何割あるか。気に入ったシーンが見つかったら、ラフにスケッチするのも良いでしょう。
これをもとにすると、自然風に見える配置が得られ、用いる植物をたとえば地中海地方自生のマートルやラベンダーにすると、地中海風自然庭園ができるわけです。植物を鉢で育てている方は、移動が容易ですから、試してみませんか。 さらにこの時期は、職人さんが剪定している場面に遭遇できるかもしれません。 プロのデモンストレーションを見られるチャンスです。
東京であれば、小石川後楽園や六義園がお薦めです。冬場は特に、開園日・時間を事前にチェックしてお出かけください。写真は、街路樹の黄葉と民家の紅葉が引き立てあっている例です。身近にも、こんな参考があります。


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