香り暦
これまでさまざまな角度から、庭やベランダ庭園の楽しみ、植物の尽きせぬ魅力を話してきましたが、まだ触れていないことで、欠かせない要素があります。それは、香りです。

2004落葉 |
植物の香りが、わたしたちに与えるやすらぎやときめきは、抽出や圧縮という手段でアロマとして商品化されています。そのような直接的な方法は、植物を源とする香りを、一年中、生活に取り入れることを可能にしました。それでもガーデナーたちは、季節の移り変わりが、人知れず扉を開け、香りの世界へとわたしたちを誘う暦を大切にしています。
今の季節、豊かな香りは落ち葉ではないでしょうか。銀杏の実を避けて歩くように、樹木の種類によって、落ち葉や果実の香りも異なりますが、色とりどりの落ち葉を踏みながらの散歩ほど贅沢な時間の過ごし方は、ちょっと思いつきません。
秋の香り
ペルネティア 学名:
Pernettya mucronata
ツツジ科の常緑低木で、樹高1m程度にしかなりませんので、ベランダで鉢植えとしても育てられます。葉は、暗緑色で棘があります。見た目は地味な植物ですが、秋につける果実にわずかながらサロメチール香があります。猫はサロメチール香を嫌うと言われています。したがってノラ猫の侵入にお困りの方におすすめします。ただし、あくまでハーブとしてゆるやかな効果であり、また生育条件によってサロメチール香の強弱が影響を受けます。ノラ猫対策の決定打とはなりえませんが、棘とともに、猫にとってあまり心地よい環境ではなくなるという効能とお考えください。果実をつけるためには、雄株と雌株の両方が必要です。酸性土壌を好みます。多くの花、すなわち果実を得るためには、日当たりは確保してください。
初夏に咲く白い壺のような花は、可愛らしい。実の色は、栽培品種によって異なります。
レモンマリーゴールド 学名:
Tagetes lemmoni

12月のレモンマリーゴールド |
葉にかなり強いレモンの香りがあります。濃緑の葉は深裂し、ふわふわと形状も優雅です。弓状の茎が風にゆれると、レモン香をあたりに漂わせます。東京近辺では11〜12月の長期間、黄色い花が植物体を覆わんばかりに咲き、さみしい晩秋の景色に活力を与えます。
たいていのTagetes属の植物は、一年草か、あるいは多年草でも一年草として育てられますが、レモンマリーゴールドは、茎が木質化し、草丈1mを越す灌木状に生長し、きわめて強健で、毎年多くの花を咲かせます。