続 お気に入りの絨毯
あるお宅の例です。南に面したリビングから、そのまま庭に出られるようにと、沓脱石(くつぬぎいし)を配し、芝を張りました。ところが、芝の生育状態が思わしくなく、見た目が貧弱だからと、建物から1.5mの幅で、建物に沿ってぐるりと、コンクリートの犬走りを設けたのです。

緑と仲良しの家 |
こうすれば、一年中同じ状態が保てると考えたわけです。そこへ、長く暑い夏がありました。太陽がコンクリートを容赦なく熱し、リビングの暑さは増すばかりです。そこで次の対策として、コンクリート面に人工芝を敷いたのです。問題は解決したかに見えました。ところが今度は、庭を眺めても、以前ほど楽しくなくなってしまったのです。その家にお住まいのガーデニング好きのご夫妻は、野生の風情をキーワードに植物を集め、それらを吟味して庭に配しています。その目に心地よいはずの庭に、最近、違和感を覚えるようになったというのです。お二人の豊かな感性が、一年中表情を変えない人工芝を許容しないのです。さらに、決して広くない庭のかなりの面積を占めるコンクリート敷き部分が、お年寄りの膝に負担になっていることもわかりました。
このご夫妻は、コンクリート部分を建物への泥はねを防ぐ目的の60cm幅を残し、撤去する決心をしました。60cmであれば、リビングに座った状態では、目に入りません。そして、撤去した部分には、来春、グラウンドカバーを植えることになっています。今、自分たちのイメージに合い、コンクリートの人工的な質感を和らげてくれるような植物選びに、夢中です。

日本ではむずかしい牧草地風のグラウンドカバー |
植物を選ぶ際の条件は、密に茂り、きめ細かく、美しく、草丈は低く、多年性であり、触れて心地よく、繁殖力が旺盛なことです。病害虫に強く、乾湿に耐えることも大切です。
さらに、一年中葉があり、植物汁液があまり出ず、香りがよいことが理想です。コンクリート敷きはもちろん、土のままでも、夏は照り返しが厳しいのです。植物を植えれば0.5〜3℃くらい地温を下げることができます。さらに、グラウンドカバー植物は弾力性があり、足にもやさしいのです。