お気に入りの絨毯
あなたが夢に描くのはどんな庭ですかと訊ねると、かなりの確率で芝生の広がる庭という答えが返ってきます。きめ細かく、つややかなビロードのような緑の絨毯がひろがる風景は、憧れずにいられません。しかしその実現は、かなり難しいようです。たいていは、土地が狭いからとか、日当たりが悪いからという理由であきらめてしまいます。

芝と紫の花の組み合わせ |
あるいは、芝を張ってはみたものの、美しい滑らかな展開とは程遠い現状にがっかりしているケースも多いのです。うらやましい広い庭と日当たりを確保できるアメリカの住宅の庭には、芝生と土曜日のお父さんの芝刈りのイメージが切り離せないものです。芝地は、美しいだけでなく、そこで遊んだり、寝転んだり、食事をしたり、エクササイズをしたり、ゲームをしたりするには格好の場所で、これに勝る環境はないと言っていいでしょう。ところが、欧米のガーデニング雑誌で、「芝生の代わりの植物」という特集に人気があるのも事実なのです。
芝というのは、実に手のかかる存在です。完璧な芝生を育てるためには、6ヶ月前から敷地を準備し、張ったのちは、雑草取り、灌水、芝刈り、縁どり、施肥、エアレーション、目土遣りと、どの季節においても気が抜けず、病気にもかかりやすいという欠点があります。そこで、芝生の代わりとなりうる植物が色々試され、品種改良が進んでいるのです。

エッジを立て、排水を図った芝地 |
しかし、芝の代替物と呼ぶにはふさわしくないほど、魅力的なグラウンドカバー植物が、いくつもあります。それらを敷き詰めると、個性を発揮した絨毯を織り上げてくれます。植物好きのガーデナーには、芝よりも楽しい相手となるでしょう。
土を緑で覆うという方法は、戸外空間にも美しさを求める心のゆとりの顕れです。雑草の発生を抑制し、土埃、泥はね、太陽の照り返しなどを防止するという実用目的にかなうとともに、身近に置いて楽しみのある植物であることも、大切な選択要素となってきます。一方、触って痛かったり、悪臭があったり、衣類を汚すような汁液を豊富に出したりする植物は、避けなければなりません。
芝は、いわばシルクの緑色の無地の絨毯で、品質は最上級。その賛辞を惜しみなく呈しながら、ほかの素材の絨毯、ほかの色の絨毯、柄のある絨毯なども目を向けてみましょう。