春の庭の構想を練るにあたって
日本の高温多湿に、人間も植物もまだまだ苦しんでいますが、わたしたちガーデナーは、秋の活動に備え、そろそろ来春の構想を練る時期です。
庭物語では、これまで昨年の12月から1月にかけて、ガーデンデザインのヒント、ガーデンコーディネートレッスンの3回にわたり、庭のデザインについてお話してきました。庭園デザインのアウトラインやスタイルを決めたら、いよいよ次は植物を選び、植えつけるという段階に入りますが、ここで留意すべきことをとりあげてみましょう。
通路はしっかり確保する

人工的な固い線を植物が消していく |
どんなに小さなスペースでも、アウトラインは力強く引きましょう。自然風の庭にしたいからと、通路と植栽空間の区別をつけなければ、人が通り、植物の世話をするうちに、根元を踏み固めてしまうことになります。また雨の日には、歩くのが不快になります。通路や、ゴミ箱置き場、ガーデニング用具置き場はしっかりと固い素材を敷きましょう。自然風にしたい場合は、ほふく性や倒伏しやすい性質のもの、あるいは次第に大株に育つ植物を、通路と植栽地の境界付近に植えれば、いずれ植物は境界線を越し、自然の作り出す無造作なラインが、固い舗装材の人工的な直線を消してくれます。
個々の植物を3つの視点から見る
ひとつひとつの植物の特徴を@外見、A栽培上の性質、B雰囲気の3点すべてにおいてよく観察し、正しい植物を選びましょう。
スペースが小さければ小さいほど、ひとつひとつの植物は目立ちます。もし、自分の空間にふさわしくない植物を選んでしまうと、目障りになるほど気になるものです。花だけでなく、葉、幹、茎、形状、外観の印象など、花期以外の期間における、その植物の、あなたの庭での価値を見極めましょう。そのためにも最新の植物図鑑を持っていると重宝です。その植物の外見の変化、たとえば常緑落葉などの四季の表情、花期、3年後、5年後、10年後の大きさなどを、想像することも忘れてはいけません。あなたの空間の、日当たり、気温、排水、土質、通風などの環境と植物の相性も、チェック事項です。

細い葉は大株となっても 軽やかな印象を与える |
さらに、植物はそれ自体がかもしだす雰囲気を持っています。多くの熱帯植物のように、葉が大きい植物の外観からは、繊細さではなく、荒さを感じます。ウイキョウの綿毛質の葉からは、力強さではなく、やさしさを感じます。たとえば、ヨーロッパの田舎風の庭を作りたいと考えたら、八重大輪の凝った花を咲かせる園芸植物よりも、より原種に近い素朴な植物や、一重の花や穂状花序のほうがふさわしいでしょう。熱帯植物で地中海風の庭をつくることはできますが、日本庭園はむずかしいでしょう。自分の好きな植物が、自分の庭のスタイルと一致するとは限らないのです。