『金森朝子の庭物語』 金森朝子プロフィールへ

ただ色や姿を表現するのではなく美しい発音や詩的な言葉にする
品種育成者が、新しいバラを世の中に送り出すとき、花をはじめとする、その園芸品種の特徴を物語る名前をつけている例から、見てみましょう。描写が的確であると同時に、いかにも使い慣れた園芸用語ではなく、美しい響きを持つ言葉、耳にするとバラの盛りの情景が目に浮かぶような名称には、感嘆します。
Blue Moon (青い月)品種育成者、ドイツ。

Blue Moon
いわゆるブルーグループの中でも、秀逸と言われているバラです。日の光に当たると青みがわかるということですが、香りがきわめて高いので、月夜にも人を惹きつけるという由来でしょうか。blueという語は、寒いとかゆううつなという意味もあって、必ずしも良い印象ばかりの単語ではないのですが、バラのブルーだけは例外で、永遠のあこがれを意味しますね。
Golden Celebration (黄金色の祝典) 品種育成者、イギリス。

Golden Celebration
1992年にDavid Austin社から発表された、丈夫で、濃い黄色の大輪花を繰り返し咲かせ、香りも強いという欲張りなイングリッシュローズです。黄金の名にふさわしく、黄色いバラの中でもひときわ豪華です。黄色のバラの命名には、yellow(黄色)という直接的な語ではなく、golden(金色)を用いることが多く、Golden Showers(金色のシャワー)、Golden Memories(黄金期の追憶)、Golden Future(金色に輝ける未来)、Golden Dream(黄金の夢)など、高価さや繁栄を想起させる言葉がちりばめられ、まばゆいほどです。
Ice Cream (アイスクリーム) 品種育成者、イギリス。

開花途上のIce Cream
もちろん白バラです。蕾は薄緑がかっていますが、開花すると真っ白な大輪となります。
このほかにも、アーチに絡ませるとやわらかいピンクの綿菓子のように見えるPink Cloud(ピンクの雲)、ピンクと白の甘い配色のCandy Stripe(縞柄キャンディ)、グラウンドカバーとして用いられ白い花を咲かせ続けるPearl Drift(真珠の流れ)、よい香りのバラを生み出した作者の嬉しさが響いてくるようなFragrant Delight(香りの喜び)など、バラの名前からは、育成者の心意気が伝わってきます。
次回は、固有名詞、ロマンスの香りのする名前、主張を込めた名前などを旅しましょう。


庭物語
メニューページへ

栽培ガイドへ

TABLE TALK RECIPE
メニューページへ

コンテンツ
メニューページへ

園芸ネット
トップページへ