色彩と親しい交際をする
春咲きから初夏咲きへと、花々のリレーがくりひろげられる季節です。
あなたの庭、アプローチ、ベランダ、バルコニー、窓辺も、花と柔らかな緑色にあふれていることでしょう。5月は、ほかのどの月よりも、風景の色に、日の光を感じます。
街並みや木々の緑へと、あなたの視線を、遠くに飛ばしてみてください。
こうして観察してみると、近年の日本の住宅風景は、色彩が明るくなったと改めて感じます。昔風の家は、茶色、こげ茶あるいは黒く、実際の大きさよりも建物を小さく見せていたものです。特定できるような何色の家という印象はあまり残らず、大谷石のように、この色と決めつけられないあいまいな色の住宅でした。

これは、着物にも同じことがいえます。着物は、明度彩度の低い、似通った配色を微妙に用い、色使いはくすんだものが粋として評価されました。
現在のわたしたちは、どんな原色でもどんな組み合わせでも、おじけることなく着てしまいます。建物も、ピンクの壁の家もあれば、青い壁に真っ赤なポールを立てたアパートもあります。わたしたちは、なんと自由に色を使っているのでしょう。
ところが、着るものに関しては、色を使う際には明確な意思をもっていても、ガーデニングとなると、なんとなく彩りよくくらいにしか意識が働かないのが現実です。
色を再認識し、もっと色について知ってみませんか。そう、色と友達になれば、色はあなたのイメージを実現したり、家を引き立てたり、庭を広く見せたり、夏に涼しげな視覚効果をもたらしたり、あなたを安らかな気持ちにしたり、元気づけたり、愉快な気分にしたりと、その長所を発揮します。
花のピンクもさまざま
花の中ではピンクが好きという方。

あなたのお好きなピンクは、どんなピンクでしょう。写真はフクシアとビューティブッシュです。同じピンクでもよく観察すると、濃い薄いというだけでなく、フクシアのピンクは赤紫がかっており、ほんの少し青味も感じます。ビューティブッシュのほうは、いわゆる撫子色で、赤紫はぐっと少なく、青味はまったく感じず、ほんの少し暗みがあります。こんなふうに花を観察すると、色というのはなんと絶妙な配合の結果だと思いませんか。