『金森朝子の庭物語』 金森朝子プロフィールへ
学名ノススメ
しばらくデザインのアドバイスが続きました。
今回と次回は、植物の名前についての話をお届けします。
園芸に利用される草花は何種類くらいあるでしょうか。新種の発見や育種によって日々増えているのですから、正確には数えられませんが、8千種類以上といわれています。さらに分類を進め、品種単位でみると、たとえばバラは1万2千もの品種があります。これらの植物を正確に特定するには、学名を用いるしか方法がありません。ところでこの学名ですが、横文字という宿命ゆえ、あまり歓迎されません。それでも庭物語では、ときどき学名を使っています。それは、和名がない場合があるからです。ではまず、和名とは何でしょう。

1.日本語で覚えるなら和名を
わたしたち日本人は、植物を認識するのに和名、別名、通称名、あるいは販売用の名前などを使っています。たとえば、花の少ないこの厳寒期に黄色い花を咲かせるロウバイのことを、カラウメと呼ぶ地方もあるようです。和風の庭にも良く合うウツギは、ウノハナという通称があります。樹形もその白い花もすがすがしいエゴノキは、イゴとかチシャノキなどとも呼ばれています。しかしこれでは、園芸の場面で混乱してしまうので、日本では、和名を標準としています。上記の3つの例の場合、いずれも最初の名前が和名です。尚、和名は必ずカタカナで記します。園芸用の図鑑でも、植物名のタイトル表記は、カタカナでなされています。植物名を覚えるとしたら、和名をおすすめします。通称は、地方での呼び名や情緒的な表現が多いので、言葉を楽しむという目的には適しているでしょう。

2.学名は世界の共通語
現在のわたしたちは、世界中から植物を手に入れています。そのスピードに和名の命名が追いつかず、流通時に適当に名前がつけられてしまうのですが、1つの品種に色々な名前がついたり、同名にして異なる植物があったりと、混乱のもとになります。「この植物」と間違いなく特定するためには、学名がもっとも簡便なのです。もちろん世界共通で使えます。

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