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種まきのコツ

自分で育てた苗から花を咲かせるのは大きな楽しみです。種まきのコツをいくつかご紹介します。
まず用土。苗床には無機質の新しい土が理想的。有機物を含む土や古土を再生したものには雑菌が含まれているので、種や幼苗が腐る危険性があります。赤玉土・バーミキュライト・パーライトなどがミックスされた種まき用土を使うと手軽です。
また、用土は3ミリ目くらいのフルイに通して粒子をそろえます。こうすると、細かい種でも土にうまくなじんで適度に水分が補給でき、発芽しやすくなります。大粒の種にはこの作業は必要ありません。

庭にじかまきする場合は、種まきする部分の土壌消毒をしておくと良いでしょう。方法は、ハンドショベルで土をすくいとり目の細かいざるに入れます。蒸し器に入れ、75℃で5分ほど蒸せば完了です。この際、温度が上がりすぎないよう注意してください。よく冷ましてからもとの場所に戻して種をまきます。

種まき後は発芽するまで、用土を乾燥させないことも大切です。上からザバッと水をかけると種が流れてしまうので、霧吹きを使うか、ジフィーポットの場合は静かに底面吸水させるといいです。好光性種子ならポリラップ、嫌光性種子な新聞をかけて湿気が保つのもよい方法です。丁寧に、赤ちゃんを扱うような気持ちで作業するのが大切です。

園芸書には「育苗ポットに数粒づつ種をまき、発芽後間引いて1ポット1本にする」と書かれています。間引き苗がもったいないから最初から1粒だけまいてはダメ?と思われる方も多いと思いますが、これには理由があります。
自然の状態では、たくさんの種が狭い場所で一緒に芽吹くことが多いのです。発芽したばかりの苗は、始めのうちは仲間と助け合いそろって成長します。1本だけだと根の量が少なくてうまく育ちません。そして、ある程度大きくなってくると根や葉が広がり競争になって、自然淘汰で強い苗が残ります。従って人工的に育てる場合も、これと似た環境にするとうまく育ちます。

3cm角のジフィーポットなら、小さい種を10粒づつまき、本葉が出始めたら間引きます。間引き苗を引きぬくと残す苗の根が傷むので、間引く苗は根元からはさみで切り取る方が安全です。
また、間引きは一度にしないで、1回目は半分くらいに減らし、本葉が3枚出たら他の苗も間引いて1本に仕立てるとよりうまくいきます。