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根づまりしていませんか?

鉢植えの植物は成長が盛んな季節です。
水管理も大切ですが、この時期は根づまりにも注意が必要。
地上部が成長しているときは、土中の根もとてもよく伸びています。
鉢は限られた空間ですから、思いのほか短期間で根詰まりしてしまうことも多いんですよ。

まず、根づまり、とはどういう状態でしょうか。
植物が水分や養分を吸収する部分は根の先端にあります。
根は外へ外へ放射状に伸びる性質があり、内側には伸びません。
春から夏の成長期には、根も猛スピードで成長します。
苗をポットからぬいて一回り大きな鉢に植え付けると、しばらくは根が外に伸びるスペースがあるのですが、地上部が立派になるころには、根も鉢いっぱいになってしまうことが多いのです。
根は鉢にぶつかると、それ以上外側に伸びられないので、鉢の内側に沿って網目状に伸びたり、底面の縁をぐるぐると回るように伸び始めます。これが根づまりした状態です。
この状態になってもしばらくは大丈夫ですが、時間が経つにつれ養分が取れなくなり、元気がなくなってきて、ひどい場合には枯れこんだり、病気になったりしてしまいます。

根づまりかどうかは外からの観察でもある程度判断できます。
鉢に植えつけてから1年以上経過している、という場合はもちろん根づまりがおきている可能性が高いのですが、そうでなくても下記のようなサインが出れば危ないかも。

-鉢底穴から根が外に出てきた
-水やりしてもなかなか水が土に染み込まない
-成長が遅くなった。花が咲かなくなった
-葉のつやや張りがなくなって、元気がない
-成長期なのに、下葉が黄色く枯れ落ちる、ぱらぱらと葉を落とし始める

日照も水遣りもOK、肥料もちゃんとやっているのに、なぜか元気がなくなってきた、という場合はまず根づまりのチェックをしてくださいね。

さて、根づまりしてしまった鉢植えの手当てです。
もうひとまわり大きな鉢と、植え付け用土を準備して、植え替えをしましょう。
これまで植えられていたのとなるべく同じ土を使い、真夏にならないうちに行います。
網目状になった根はむしるようにしてある程度取り去ります。
ぐるぐる回った根もほぐしてから植え替えます。また、根が内側に抱きこんでいる古い土は少しかき出して、新しい土を抱かせるように入れて植えつけてください。
作業中は根を乾かさないように注意します。植え替え後はたっぷり水やりし、数日間は半日陰で養生させてください。

頻繁に鉢替えをするのは面倒だからと、小さな苗をいきなり大きな鉢に植えてしまうと、根は分枝しないまま鉢の壁まで伸びきってしまうので、植物が生育不良となってしまいます。
面倒でも、1号(直径3cm)分ずつ大きくしてゆくと、根がよく張ったよい株になりますよ。

鉢替えは、同じような形でサイズが異なる鉢をいくつか用意しておくと楽にできます。根鉢の形をあまり崩さずにスポッと一回り大きな鉢に入れられるからです。同じデザインの鉢で3個セットや4個セットのものなら、大きなものから植え替えていけば、あいた鉢に玉突き状に一回り小さな鉢の植物を植え替えられるので合理的。