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芝生のオーバーシーディング

1年中緑の美しい芝庭がほしい!と思っている方は多いですよね。これが、なかなか難しい。
夏に強い暖地型の日本芝(高麗芝)は冬は枯葉色になってしまいます。西洋芝なら1年中緑ですが、関東以西では夏場の管理がたいへんです。
そこで、年中緑の芝生を保つためにウィンター・オーバーシーディングという技法が注目されています。
これは、日本芝の上に西洋芝の種をまいて、夏冬交代させて緑を保つ方法。
春秋に種まきや刈り込みが必要ですが、家庭でもできますので方法をご紹介します。

まずベースの夏芝として、高麗芝を張っておきます。夏の間は緑ですのでそのまま過ごします。
8月中旬から交代準備にかかります。芝生を徐々に低く刈り込んで、10ミリ程度にします。サッチ(芝の間に入った枯葉)は西洋芝の発芽を阻害するので、丁寧に取り除きます。
9月下旬~10月中旬ころに、この上から西洋芝の種をまきます。
品種はペレニアルライグラスが主体のものが適しています。最近はオーバーシーディング用に開発された品種も出回ってきましたので、できればそういうものを使うといいですね。
1平米あたり40g位の種を均質にまき、上からフォークやブラシをかけ、種が地面に接するようにします。
上から芝生の目土をかけ、発芽まで1~2週間、乾かないように水遣りをします。
西洋芝が発芽したらいったん5cmくらいまで伸ばし、その後は通常の刈り込みを行います。
冬場は2週間に1度くらい肥料を与えて西洋芝の生育を促します。
冬の間、高麗芝は枯れて休眠しますので、西洋芝はすくすくと成長します。
こうして冬を過ごした後、3月ころからまた高麗芝への交代準備をします。
肥料を控えめにして西洋芝の生育を抑え、5月ころに一気に刈り高を10ミリ程度に下げて、下から伸びる高麗芝の芽に日があたるようにするのです。高麗芝が順調に育ち出したら西洋芝は徐々に枯れていきますので、今度は高麗芝のために施肥をはじめます。
こうして、また秋になったら西洋芝の種をまきなおす…というのを繰り返して緑を保つのです。

オーバーシーディングで難しいのは春の交代で、西洋芝を枯れさせないと、日本芝にうまく交代できません。春先に西洋芝を刈り込む際に、一気に思い切り短くするのがコツです。
美しい芝庭を保つのはたいへん。いろいろ試してみてくださいね。